虹色アゲハ
「うわ、辛口。
まぁそんなストレートなとこも好きだけどさ」
甘い視線を向ける鷹巨に…

「ウケル〜、ウケル〜」
再びそう突っ込むソラ。

揚羽は言葉を失くして、クスクスと笑い崩れた。


「いや笑いすぎっ。
あぁも、ソラ!
ちょっとは援護しろって」

「ソラチャン、カシコイネ。
ソラチャン、カシコ〜イネ」

「いや賢いならもっとさぁ、」

「コンナジカンナノニ、ネムクナイノ?」

「眠くないよっ、そうじゃなくて…」

「もうやめて鷹巨っ、お腹痛いっ…」


恐らく、普段掛けられてる言葉を反復しているだけなのだろう。
それでも揚羽は、こんなに笑ったのは記憶にないくらい久しぶりだった。

そして鷹巨は、そんな揚羽を嬉しそうに見守っていた。




「けっこう楽しめたわ。
じゃあ帰るわね」

「楽しめたのに帰るんだ?」

「あんまり夜更かしすると、お肌に悪いからね」
というのは口実で。

自分が帰らないと、その動向を見守ってくれてる倫太郎が眠れないからだった。
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