虹色アゲハ
「そっか、じゃあ送るよ。
そのために飲まなかったし」

「結構よ。
もう乗らなきゃいけない理由はないし、あんたを信用してるわけじゃないからね」

「そっか…
じゃあ今度お店に行っていいっ?
指名するよ」

「それも、間に合ってるから結構よ」

「そっか…」
しゅんとする鷹巨。


「でも…
また元気を失くしたら、ソラちゃんのとこなら付き合ってあげてもいいわよ」

「ほんとにっ!?
よっしゃ!ありがとうっ」

子供みたいに喜ぶ姿を、ため息混じりに微笑みながらも…

自分の方がありがとうだと。
久保井の事を一時でも忘れさせてくれた鷹巨に、内心感謝する揚羽だった。



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