虹色アゲハ
そんな調子で、連れて行かれた場所は…

「うそ、インコがいる」

「そう、夜の鳥カフェなんだ」

そこは普通席の他に、天井から吊られた鳥籠のある席が2つあり。
希望者は予約順に、20分単位で座れるシステムだった。


「おう鷹巨、いらっしゃい。
こんな綺麗なお姉さん連れて〜。
見せびらかしに来たのかぁ?」

「まぁね。
ソラの席、座れる?」

「おう!電話予約してくれてたよなっ?
あと10分待ってくれよ〜」

そう目配せしたマスターは、鷹巨の友人だそうで…
電話予約してた事にして、優遇してくれたのだった。



その席に座ると、早速。

「ワ〜、カワイイ、カワイイネ」
青いインコが揚羽に声掛けてきた。


「ふふ、キミの方が可愛いわよ」

「このコ、ソラって言うんだ。
オスだから、やっぱ綺麗な女性には目がないのかなっ」

「ナンダコイツ、ウケル〜。
ナンダコイツ、ウケル〜」

「…馬鹿にされてるわよ、鷹巨」
思わずそう吹き出す揚羽。


「こいつ、鳥のくせにっ…」

「やっぱり動物の本能でバカは見抜けるんじゃない?」
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