虹色アゲハ
「あのね…
どこの世界にそんな危険なアフターに付き合うコがいるのよ。
だいたい俺の車って…
どうせレンタカーでしょ?」

狡猾な詐欺師が、そんな足がつく手掛かりを晒すわけがないからだ。


「だったら威張って誘わないよっ。
といってもたかがレクサスだけど、外車は目立つから乗れないんだよね」

ふぅん、鷹巨と同じ車か…
それがほんとに自分の車だとしたら、私に晒すなんてどういうつもり?

舐められてるのか、それすら完璧に情報操作してるのか…
そう推測しながらも。

調べる価値はあるうえに。
発信機や盗聴器を仕掛けて、新たな情報を得るチャンスでもあった。


でも鷹巨と約束してるし…
と少し悩んだ揚羽だったが。

「そんなに愛車を自慢したいの?
意外と可愛いのね。
それに免じて(アフターに)付き合ってあげるし、先約も断ってあげるから…
これで借りは帳消しね」

鷹巨の事だから、言いつけ通り眠って待ってるはずだと。
久保井を早めに切り上げてから行く事にしたのだ。

これで借りを相殺出来て、情報まで得られるかもしれないとなれば、逃す手はないからだ。
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