虹色アゲハ
さらに。

「まず返事の前に…
これを受け取って欲しいんだ」
先に鷹巨の要件が提示される。


「…なにそれ」
紙袋に入ったそれを確認すると…

中身は10㎝ほどの札束で。

「なんの真似?」
揚羽は怪訝な視線をぶつけた。


「手切れ金。
一千万入ってる。
ほら前に、足洗おうとしたコが組織に潰されたって言ってたから…
これくらいあれば、無事にやめれるかなって。
足りなかったら言って?3千万までなら出せるから」

そこまでして私をっ…

詐欺どころか、逆にそんな大金を惜しみなく差し出す鷹巨に。
衝撃を受けて、目頭が熱くなる。


「…残念ね。
そこまでバカとは思わなかったわ…
ねぇ知ってる?
そんな大金チラつかされたら、たとえ恋愛対象でも詐欺対象に変わるのよ?
受け取ったら最後、あんたの前から消えるわよっ?」

鷹巨は悲しげに、ふっと笑うと。

「…うん、そうして?
そうでもされないと俺、一生諦め切れないからさっ…
聡子が本気で別れたいなら、俺との手切れ金にして奪っていいよ」

思ってもない答えに…
堪らず揚羽は嗚咽を零す。
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