虹色アゲハ
「だからって、バディならフォローしてくれよ。
俺の計画聞いたくせに、足洗えば?はないだろ〜」

そう、今足を洗われたら勝負を投げ出されるかもしれないからだ。


「俺はもうオマエらが傷付くの見たくねんだよっ」

「っ、見たくっ?
お前はいつも聴いてるだけじゃん」
心打たれたのを隠して、小馬鹿に笑う。


「ふざけんなよっ。
こっちはオマエの事で色々気ィ回してんのに」

倫太郎はこの前の嫌な勘で…
もしかして目的を達成したら、仁希が死んでしまうんじゃないかと邪推していて。
自らの意志なのか、組織によるものなのかは分からないものの…
その話を躱された事からも、疑惑を強めていたのだ。


そしてそれを察した仁希は、また躱すようにして、倫太郎の言葉を逆手に取った。

「気ィ回してる?
だったら一度くらい、望の手料理分けてくれたっていんじゃないか?」

「いやムリだろ。
オマエいつ来れるか分かんねぇし、残したらアイツに悪いし」

「あと、独り占めしたかったからだろ?
俺の気持ち知ってるくせに、平気で望の部屋に行こうとするしな?」

「あの状況で断る方が不自然だろっ。
それでも、メール見てすぐ断ったってのに」
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