虹色アゲハ
それとは別に。
あそこまでの拒絶や、あんなにも傷付けてしまった事に…
自身も深く傷付き、何も出来なくなっていた。

そんな中、望が鷹巨にプロポーズされたのを機に。
倫太郎はそれを受けるように促して、再び足を洗わせようと働きかけた。


その結果…

「どういうつもりだ?
電話にも出ないし。
あの時も、俺はあんなに頼んだのに尽く無視して…
もしかしてイヤホンすら外してたか?」

「…悪かったよ。
けどもういいだろっ。
アイツの幸せのために動いてんなら、このままあの男と結婚させるのがベストだろっ」

「じゃあ罪はどうなる?
結婚して子供が出来て…
その時に逮捕されたり、復讐されて家族が犠牲になったら、それこそ一番苦しむだろっ」

もっともな意見に、言い返せなくなる倫太郎。


「それに望にとっての幸せは、金とか肩書きじゃなくて愛情だろ。
だったら本当に愛し合った相手と結ばれてほしいんだ」

そう、仁希は…
この3年に及ぶ日々、望を守るためだけに生きてくれた倫太郎に、望を託したかったのだ。

「ったく、こっちの気も知らないで…
しかも俺はちゃんとほんとの事を話したのに、協力どころか邪魔するし」
< 249 / 268 >

この作品をシェア

pagetop