虹色アゲハ
「…そうゆう事か。
けどもうアイツは足洗うって…」

「ほんとやらかしてくれたよなっ。
でもま、土壇場の方が判断力も鈍るだろうし…
そこで切り札を使うよ」


ーーー
ーー


仁希とのやり取りを浮かべて、言わない方がいい内容を避けながら…
続きを話す倫太郎。

「つまり新しい人生に、普通の人生に踏み出せんのは、全部仁希さんのおかげだし。
俺はいつ死んでもいい、人生だったから…
必要としてくれた、仁希さんのために、使っただけだし。
けどそのせいで、俺まで裏切ってて…
ごめん」

「ううんっ、倫太郎ならいいのっ」

それは裏切られてもいいくらい特別な存在だという意味だったが…
倫太郎は、ダメージにもならない存在なのかと苦笑う。

だけど。


「だからお願いっ、もう離して!
話はわかったからっ…
そんな事もういいからっ!」

望にとって何より重要な事のはずなのに、"そんな事"と自分を優先されて…
泣きそうになる倫太郎。

「っ、あと少しだから、聞けよ…」


ーーー
ーー


「望の様子は?」

仁希は罪の回収に合わせて、盗聴器も回収していた。


「まぁだいぶマシにはなったけど、また落ち込み始めたし…
俺じゃムリかも」

「俺じゃ無理って…
まだモノにしてないんだ?」
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