レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「伯父の姓は,母方の姓なのです。彼は母の兄にあたる人なので」
「ああ,なるほど。そうでしたの」
リディアは納得しかけたものの,このサルディーノという人物に関して,いささか疑問が残った。
("宰相"って,君主に代わって政治を()り行う人のことよね)
レーセル帝国においては,大臣がそれにあたる。皇帝イヴァン・皇太子(こうたいし)リディア(皇位を継ぐ立場なので,"太子"という地位なのである)(とも)に不在の時には,彼が代わりに(まつりごと)に関わるのだ。
ただ,現在スラバット王国を治めているのはカルロス王子だと,父は言っていた。まあ宰相がいるのはともかく,伯父が王子の後見人だというのも引っかかる。
スラバットの法律は知らないが,二〇歳(はたち)になっているはずのカルロス王子に,後見人なんて必要なのだろうか?
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