レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「あのね,さっきのことだけど……。まだジョンには言わない方がいいと思うのよ。知ってしまったら,それこそ彼,発狂しかねないわ」
デニスとジョンは,言うなればリディアを(めぐ)っての恋敵(ライバル)なのである。けれど,親しい友人同士でもある。なので,できれば波風を立てて,これまでのいい関係を壊すようなことはしたくない,と彼女は思っていた。
「言わなくても,アイツならそのうち気づくさ。頭いいからな,オレと違って」
「もう!どうしてそこで,自分を卑下(ひげ)するようなこと言うのよ」
せっかくのいい雰囲気に水を差すデニスの言動に,リディアは顔をしかめる。
「さっきも言ったでしょう?わたしが好きなのは,あなただって。だから,もっと自信を持ちなさい!」
< 69 / 268 >

この作品をシェア

pagetop