夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「記憶を失った俺に、微笑みかけてくれてありがとう」
目覚めて何も分からなかった。
そんな時、彼女の笑顔は俺にとって光だった。
「何も出来ない俺に、好き、って言ってくれてありがとう」
辛い孤独な入院生活。
あの時の君の言葉が、どれだけ俺に力をくれたか分からない。
だから、……。
「あの時、っ……ミネア、さんが居てくれたからッ……。僕は、生きようって、思えたんですっ」
俺の中の、僕がそう訴えていた。
僕があの時、生きる事を諦めていたら、今の俺はいなかったのだと……。
今をくれた君に、伝えたい想い、言葉はたった一つ。
"ありがとう"という、感謝の言葉だった。
「っ……どこまで、ッ……お人好しなの?
よその女の旦那に優しくされても、嬉しくないわよ!」
俺の言葉を聞いて、ミネアは涙を流しながらも微笑ってくれた。
もう、大丈夫ーー。
心からそう思えて、俺は左手首にブレスレットを付け、写真を上着の内ポケットにしまうと、本を手にその場を駆け出した。
……
…………。