夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
【ヴァロンside】
「!……え、っ?」
誰かに呼ばれた気がして、思わず振り返った。
子供の頃に聴いた事があるような、懐かしいような大好きな声で呼ばれた気がしたから……。
ここはアランから受け取った招待状に記載されていた結婚式場の敷地内。
無事に到着出来たまではいいが、そこには広い庭園が広がっていて、何処に何があるのか正直分からず走り回っていた最中だった。
アカリが居ると思われる花嫁の控え室に真っ直ぐ向かいたいのに……。まるで運命の神がそれを阻止するかのようにここに着いた途端に始まった激しい頭痛。
考えてようとする度に痛みが増して、俺はただ闇雲に彷徨い続けていたんだ。
そんな最中に聞こえた声。
その先に視線を移して、見渡していると……。
ーーチリンッ!
「!……、っ……猫?」
鈴の音と共に視線の先に現れたのは1匹の猫だった。白と黒と茶の、三毛柄の猫。
"それ"は決して珍しくもない、日常にあり得る光景の筈だった。
けど、その光景を見た瞬間。俺に纏わりついていた"何か"がスッと無くなり……。頭痛が消えると同時に、ある事を思い出した。
「!……え、っ?」
誰かに呼ばれた気がして、思わず振り返った。
子供の頃に聴いた事があるような、懐かしいような大好きな声で呼ばれた気がしたから……。
ここはアランから受け取った招待状に記載されていた結婚式場の敷地内。
無事に到着出来たまではいいが、そこには広い庭園が広がっていて、何処に何があるのか正直分からず走り回っていた最中だった。
アカリが居ると思われる花嫁の控え室に真っ直ぐ向かいたいのに……。まるで運命の神がそれを阻止するかのようにここに着いた途端に始まった激しい頭痛。
考えてようとする度に痛みが増して、俺はただ闇雲に彷徨い続けていたんだ。
そんな最中に聞こえた声。
その先に視線を移して、見渡していると……。
ーーチリンッ!
「!……、っ……猫?」
鈴の音と共に視線の先に現れたのは1匹の猫だった。白と黒と茶の、三毛柄の猫。
"それ"は決して珍しくもない、日常にあり得る光景の筈だった。
けど、その光景を見た瞬間。俺に纏わりついていた"何か"がスッと無くなり……。頭痛が消えると同時に、ある事を思い出した。