夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
彼女は言った。
「遅い!
私、言ったよね?"真っ直ぐ最短で帰って来てほしい"って」
拗ねた口調で言いながら、想像もしてなかった使用人姿でゆっくりと階段を降りて来て……。ここに辿り着くまでに全ての羽を失って、もう羽ばたく事が出来ない鳥のような俺を、彼女がそっと抱き締めた。
彼女の言葉に「ごめん」って返したいのに、暖かい温もりに胸がいっぱいになって上手く声が出せない。そんな俺に、彼女が言葉を続ける。
「……でも、もういいの。帰ってきてくれたから」
「っ……」
可愛い我が儘の後の優しい言葉が、余計に心に沁みた。
「待ってたよ。この瞬間を……」
彼女の一言一言にズキズキと胸が痛いのに、嬉しくて……。
こんな愛おしい痛みがあっていいのだろうか?と、幸せを噛み締める俺に、心に響く大好きな声が、教えてくれる。
「ずっとずっと、待ってたよ!」
たくさん遠回りしたけど、俺の歩んできた人生は間違いなく最幸の結末に繋がっていたのだと……。
そして、この結末がまた新しい物語を生み出していくのだ、と……。……、……。