夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

『たくさんの夢を、俺に託してくれてありがとう。
力が及ばず、夢を叶えられなかった皆様、ごめんなさい。
もう俺は夢の配達人ではないけれど、世界中のみんなが良い夢を見られるよう、心から願っています。
……本当に、ありがとうございました』

紛れもなく、私の大好きな、ヴァロンでしかなかった。
私の胸を弾ませて、心を熱くしてくれる君は、ヴァロン以外の何者でもないと……分かった。


失ったと思った君が、再び手の届く場所に戻って来てくれた。
嬉しくて、他人を装おうとしたのに無理だった。

「……ごめんなさい。
君と他人行儀なやり取りは、なんだかおかしくて」

愛おしさが溢れて、思わず笑ってしまった理由を弁解しながら思った。
彼とこのままの関係なんて絶対に嫌だ、とーー。

「だから。私達、もう一度ここから始めませんか?」

「!……は?」

私からの提案に、ヴァロンは思わず素に戻って素っ頓狂(すっとんきょう)な声を上げた。
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