夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
今日は私の25歳の誕生日。
そして、私とヴァロンの結婚式。
集まってくれたみんなと、ワイワイ盛り上がる筈だった。それなのに……。
「ヴァ、ヴァロン?
どうしたの?何か、あったの?」
突然お姫様抱っこされて、私はヴァロンに攫われ中。問い掛けても彼はチラッと私を見て微笑むだけで答えてくれない。
ここは普通ならば「もうっ!せっかくみんなが来てくれてるのに〜!」と怒るべきところなのだろう。……しかし、…………。
〜〜〜っ、もう!
何でこんなにカッコ良いのよ〜〜〜ッ!?
初めて見る袴姿が似合っていて素敵過ぎる。
それに、昔のヴァロンのカッコ良さに今は"マオさん"の時の可愛いって雰囲気がプラスされて、もはや彼は最強だった。
以前にも増してドキドキとキュンキュンが止まらない。
きっと私は、永遠に彼に恋し続けるんだーー。
幸せな腕の中で、私はそう確信した。
そして、ふと、ある事に気付いた。
そう言えば、何だかんだ二人きりになるのって久し振りかも……。
ヴァロンが戻って来てからは毎日のように一緒に居られる夢のような日々が続いていた。が、彼が帰ってきた事が余程嬉しかったのだろう。ヒナタとヒカルが朝から晩までヴァロンにベッタリで、なかなかゆっくり二人きりになれる時間がなかったのだ。