夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
夫婦の時間が減ってしまい寂しく感じていたが、それは親になった以上仕方のない事だと自分に言い聞かせてきた。
けれど、ジェシカちゃんやみんながいる昼間なら、きっとヒナタとヒカルが寂しがる事もない。二人きりになるのなら、まさに今は絶好のタイミングだろう。
もしかしてヴァロン、私の気持ちに気付いてて連れ出してくれたの?
そう心の中で問いかけた時だ。
「強引に連れ出してごめんな?
俺がどうしても、アカリと二人きりになりたかったんだ」
そのトドメの一言に私の胸キュンメーターはMAXになり、ヒートオーバーした。
"俺がどうしても、アカリと二人きりになりたかったんだ"、そんな嬉しい事を言われたら今まで抑えていた気持ちが弾けてしまう。
「わ、私も!っ……私もずっと、ヴァロンと二人きりになりたかった!」
やっと素直になって言えた本当の気持ち。
帰って来てくれてからも記憶が徐々に戻る度に頭痛で、苦しそうで……。それなのに、ヒナタとヒカルとの時間を大切にしてくれて、お祖父様のお仕事まで1日でも早く引き継げるよう勉強してくれて……。
これ以上ヴァロンの負担を増やしたくなくてずっと言えなかった。困らせるかも、ってずっと怖かった。
……けど、私の言葉に彼は微笑った。