諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
あんなことを言っているが、理人さんがデートの途中で帰ったことなど今までに一度もない。口調こそそっけないが、今だって私の歩調に合わせて歩いてくれている。
私より身長が三十センチ近くも高い理人さんが、私と同じ歩幅のはずないもんね。やっぱり優しい。
「危ない。ぼーっとするな」
その声が降ってきたと同時に、腕を引かれて理人さんのほうへと引き寄せられた。私のすぐうしろを自転車が勢いよく通過する。
私が目を瞬かせつつ見上げると、彼はやれやれと言わんばかりの顔つきでこちらを見下ろしていた。久しぶりに間近で見る理人さんに、愛おしさが胸もとを突き上げる。
「理人さん。好きです」
堪らず言うが、駐車場について助手席のドアを開けた理人さんは、
「もう聞き飽きた。乗れ」
とおなじみの反応だった。
私より身長が三十センチ近くも高い理人さんが、私と同じ歩幅のはずないもんね。やっぱり優しい。
「危ない。ぼーっとするな」
その声が降ってきたと同時に、腕を引かれて理人さんのほうへと引き寄せられた。私のすぐうしろを自転車が勢いよく通過する。
私が目を瞬かせつつ見上げると、彼はやれやれと言わんばかりの顔つきでこちらを見下ろしていた。久しぶりに間近で見る理人さんに、愛おしさが胸もとを突き上げる。
「理人さん。好きです」
堪らず言うが、駐車場について助手席のドアを開けた理人さんは、
「もう聞き飽きた。乗れ」
とおなじみの反応だった。