諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「そのまま……って勢いにはならなかったの?」

「ならないよ! 『お前の湯上り姿なんて見たところでなにも思わない』とまで言われたしね」

「同じベッドでは寝るのに態度は変わらずって……。行動が矛盾しすぎていて混乱ね。それにしてもあんたたち、幼稚園の幼なじみじゃないんだから。いくら揉めたって、よくそんな事態になったわね」

 言い終えた美鶴が、両手を空に向けて肩を竦める。

「たしかに。私、やっぱり理人さんに女として見られていないんだろうな」

 ……キスまでされたのに。

 落ち込んでうつむく私を、美鶴がなにかを考えるように見据えていた。

「実は、結婚するまで手を出さないって決めてたりして」

 その言葉に、私は面食らってぽかんとする。

 ……いや、まさか。それはないだろう。

 思いを巡らせてみたが、今までの理人さんからそんな気配は微塵も感じられなかった。
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