諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「この際、あんたから誘ってみたら?」

「誘うって、さすがにそれは……」

「案外、理人さんの本当の気持ちがわかるかもしれないじゃない。ガッツだけはあるんでしょ?」

 狼狽える私の肩を、美鶴が決断させるかの如くポン、と叩く。

「……誘うって言ったってどうやって……」

 手招きする美鶴に顔を近づける。耳打ちする彼女から発せられたのは、驚きの内容だった。

「そんな古典的な?」

 羞恥に顔を強張らせる私に、美鶴は一度大きくうなずく。

「なんだかんだ言って男はベタが好きなのよ。頑張りなさい」

「ひ、引かれないかな?」

「猿呼ばわりされてるのに、今さらなにを気にしてんの」

 ……誘ってみる、か。

 強く後押しされたというもの、自分にはあまりに不相応な計画な気がして、私は頭が悩乱していた。
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