諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「失礼します。専務のご様子はいかがでしょうか?」
今しがた出ていった先生と入れ違うように、有家さんが寝室に入ってくる。私は寝ている理人さんを起こさないように、有家さんとともに部屋から出た。
「さっきよりも顔色も落ち着いて、今は眠っています。注射もすぐに効くそうなので、熱も少しは下がるといいんですが」
力なく笑う私に、有家さんも「そうですか……」と心配そうな目つきになる。
有家さんと一緒に理人さんをベッドまで運んだ私は、理人さんのあまりの様子に、昔から自分がお世話になっていた主治医の先生を呼んだ。
診察の結果、理人さんは過労からくる体調不良だと診断された。熱さましの注射も打ってもらい、薬も処方されてようやく少しは安堵することができたけれど、未だ心は休まらなかった。