諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「どうした?」

「すみません。すぐに拭きますね」

 私は動揺しつつも、平静を装う。

 理人さんの体調が悪いのに、不謹慎だよね。

 私はお湯で濡らしたタオルを手に、理人さんの腕から汗を拭っていく。首に、背中、と終わって、最後に正面に向かい合うようにベッドの上に座った。

「失礼します……」

 私はそっと、胸もとから腹筋へとタオルを滑らせる。理人さんの息遣いにすら緊張して、私の心臓は大きく波打っていた。

 すると、再び理人さんが私の手をタオルごと握り締める。

「あ、くすぐったかったですか?」

 私が伏し目がちに訊ねた次の瞬間だった――。
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