諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「クローゼット、開けますね」

 着替えを取ろうと、私は理人さんの手から自分の手を引き抜く。クローゼットから部屋着を用意した私は、それを理人さんに差し出した。

「着替えられそうですか?」

 理人さんは少し沈黙してから、「無理」と首を振る。

 ……私ひとりでもなんとかなるよね。

 私は彼の上半身を支えながら起こし、シャツのボタンを上から順番に開けていく。

 汗で張りついたシャツを剥ぎ取れば、引き締まった身体があらわになった。服を着ているときにはわからなかった精悍(せいかん)な身体つきに、私は思いがけず視線を逸らす。

 意識してしまえば、急に自分がとんでもないことをしているような気がしてきた。
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