諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~

「静菜、突然呼び出してすまなかったな。理人くんも。この間はありがとう」

 私の家に着いて父の待つ応接間に案内された私たちは、コの字型のソファーに座り、話をしていた。

 先ほどの父の言葉に私が妙な瞬きをしていると、その様子を察した父が、

「お前が理人くんの家へ行った次の日、うちへ挨拶に来てくれたんだ」

 と私に説明する。

「そうだったんですか?」

 私は驚いて隣に腰掛ける理人さんの顔を見上げた。

 知らなかった。たしかに、買い物に行くからといつものように職場の近くで待ち合わせしていたときに、理人さんは少し遅れてきた。

 理人さんが時間に遅れるなんて珍しいと思っていたけれど、まさかうちに来てくれていたなんて……。

 理人さんの誠実さに、私は改めて胸を打たずにはいられなかった。
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