諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「いったいどんな話なんですか?」

 焦りを抑えきれない私の声が止むと、沈黙が重く肩にのしかかった。私は手のひらを強く握り締める。

「……コクリョウが、もうダメかもしれないんだ」

 父は、低い声で語り始めた。

「コクリョウって……会社がですか?」

 聞かされた真実に、私の心臓が激しく動悸する。

 ダメって、倒産しそうだっていうこと? どうしてそんな……。

「静菜が子供の頃くらいからか。少しずつ売上や経営が悪化してな。何度か大規模な経営改革も実践したんだが、どれも失敗に終わり、結果多くの負債を抱えてしまった。このままでは会社を売却しなければいけないんだ」

「そんな……」

 私は喘ぐような呼吸になる。
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