諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 恋のさなかに見た、数えきれない思い出たちが脳裏に蘇る。思い出すだけで、胸が強く締めつけられた。

 ……苦しい。

 瞬きもしていないのに、涙がボタボタとカーペットに落ちて小さなシミを作っていく。

 たとえ通じ合えなくても、失うよりは良かった。理人さんに会えないよりもつらいことなんてない。

 理人さんは否定するなと言ってくれたけれど、なににも縛られずに手放しにあなたのもとへ飛び込んで行けたらと、今日だけは自分の宿命を呪わずにはいられなかった。
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