諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 なにも言わず私のうしろに回った理人さんは、ネックレスを私の首に通した。

「ほら」

 その声に、私は自分の首もとに手をやる。ひやりとした感触が指先に伝わった。

「毎年思うが、そんなに嬉しいのか」

 背後に立つ理人さんが、ふっと息をつくのが聞こえてくる。

「理人さんが贈ってくれたものです。嬉しくないわけがありません」

「今年は忙しかったからな。選んだのは有家(ありいえ)だぞ」

 席に戻った理人さんは、いささか居心地が悪そうに告げた。

 有家さんとは、理人さんの秘書を務めている男性だ。私は直接面識がないけれど、理人さんの話に何度か登場したことがあるので知っている。

 だから今年はアクセサリーだったのか。
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