諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 * * *
 
「はぁ、理人さん……」

 会社のお昼休憩の社員食堂で、スマートフォンを片手にテーブルに項垂れる私に、向かいの席で食事をしていた同期で親友の美鶴(みつる)が呆れ果てた様子で口を開いた。

「あんた、また愛しの理人さんの写真眺めてるの?」

 私が机に顎をついて顔を上げると、美鶴は日替わり定食のお味噌汁のお椀を片手に、美人な顔を険しく歪ませていた。

「うん。この前撮った最新版。前に『数か月に一回しか会えないんだからせめて写真だけでも撮らせてください』って言ったら怒られたから、こっそりと盗撮したやつだけれど」

 そう言って私が一週間前の誕生日にスマートフォンで撮った理人さんの写真を見せると、お椀に口をつけていた美鶴が、「ぶっ」と噴き出す。
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