諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「理人、さん?」

 私は力なく笑った。不自然な間が流れる。夜の静けさが際立って、心臓が大きく波打った。

 こちらを真っ直ぐに見据えた理人さんが、重い口を開いた。

「ずっと俺を好きって言っているが、お前のそれは本当に恋なのか?」

 ――えっ?

 想像もしていなかった問い掛けに、困惑で思考が停滞する。

「理人さん、なにを言って――」

 反論したいのに、どうしようもなく胸が痛かった。

「恋に決まってるじゃないですか。私は、理人さんのことが本当に――」

「子供の頃に婚約者だと紹介されて勘違いしているだけだ」

「そんなことありません!」

 どうしてそんなことを言うのだろう。
< 65 / 199 >

この作品をシェア

pagetop