諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 
 私はタクシーを降りて、理人さんの住むマンションの前までやって来た。

 丘状の敷地に邸宅風に建てられたマンションは、鉄製のゲートがあってここからはエントランスホールの中の様子は見えない。

 私は、ゲートのそばにあったオートロックのインターホンに、理人さんの部屋番号を入れて呼び出しボタンを押した。

 理人さん、出てくれるかな……。

 たった数秒の沈黙の間に、不安が募っていく。すると、機械越しに『はい』と返答があった。

「理人さん!」

 私はインターホンに身を乗り出す。

『……お前。なにしに来た』

 理人さんは一段と冷ややかな声色で言った。

 やっぱり突然来て怒ってるよね。そう思うが、今日は私も引けなかった。
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