諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 今日はたしかに寒い。

 隣に並んで歩く私も、気まぐれなひと吹きに身震いした。それでも、心はほの温かい感情に包まれている。

 理人さんとやってみたかったことが叶うのはこれでふたつ目だ。

「お腹も空いてますけど、この時間が終わってしまうのは惜しいなぁ。ずっと歩いていたいですね」

「お前は俺をどこまで行かせる気だ」

 呟く私に、理人さんが仏頂面で言う。

「理人さんさえよければ、私はずっとこうしていられそうです」

 私は息を弾ませて答えた。すると、理人さんの足が止まる。
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