諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「あれっ? 理人さん?」

 慌てて来た道を数歩戻る私は、額に手を当てうつむく彼の顔を覗き込んだ。

 突然どうしたのだろう。

 不安になり、目を瞬かせていると、

「来い」

 ぽつりと発した理人さんは、突如私の腕を引いて足を急がせた。

「り、理人さん!? どうして急ぐんですか?」

 ずんずん進む彼の背中に投げかけるけれど、返答はない。私の予想に反して、理人さんは多くの飲食店が立ち並ぶ駅付近ではなく、途中の路地裏に入っていく。

 どこへ行くのかな。

 疑問に思いつつも、なにか考えがあるのだろうと、私は大人しくついて行った。
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