嘘恋のち真実愛
なるほど……征巳さんは私に知られたくなかったんだ。逆の立場だったら、私も知られたくないし、知られたら恥ずかしくなる。

でも、征巳さんが動揺する姿が見られて、なんだかとても楽しくなった。

彼の胸中を察しながらも、私は「フフッ」と笑い声を漏らす。


「ゆりか……」

「あ、ごめんなさい。決して悪気はないんですよ?」

「まあ、いいよ。情けない姿を知られたくはなかったけど、ゆりかを毎日想っていたのは事実だから」

「私も、一応毎日征巳さんのことを考えていましたよ」


征巳さんが正直に話してくれるから、私も正直に答えた。彼と目を合わせて、顔を綻ばせる。

そのとき、「コホン」と店長が咳払いをした。私たちは揃って、店長を見る。


「ラブラブなのを見せられると、こっちが照れるんだけど。それよりもさ、そろそろラストオーダーになるから何か注文してくれないかな?」

「あ、そうですよね。征巳さん、何にします?」

「んー、そうだな。ゆりかは決めた?」

「んー、どうしようかな?」


メニューを見てから、また私たちは目を合わせて、お互いに首を傾げた。
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