嘘恋のち真実愛
「素敵なところですね」

「うん、家でお祝い事があるときにいつも利用しているんだ。料理も美味しいから、ゆりかも気に入ってくれるといいけど」

「楽しみです」


征巳さんが何度も利用するほどお気に入りなのが納得できる料理に、舌鼓を打った。

食後に出してくれた緑茶までもが美味しく、ホッとひと息つく。


「ところで、来週に両家の顔合わせを兼ねた食事会になったけど、本当に大丈夫?」

「はい、母は私と違って、全然物怖じしない人なので」

「そうか、会うの楽しみだな」


母に都合を訊いたら、こちらの予定に合わせると言ってくれた。それで、征巳さんが彼の両親に相談したところ、食事会をすることになった。

挨拶もなしに入籍した上、いきなり食事会を提案して、印象が悪くなっていないかと征巳さんは心配していた。無用な心配だと伝える。

私の母は合理主義な人なので、結果が良ければその他は気にしない。今回の場合の結果とは、幸せな結婚だ。

電話で報告したら『幸せになりなさいね』と言われた。絶対に幸せになる。


タクシーでマンションに戻り、ウキウキした気分で彼の隣を歩いた。
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