嘘恋のち真実愛
「情けない征巳さんも、好きです」

「ゆりかはいつも俺に力をくれるね。頼もしいゆりかが好きだよ」

「フフッ、ありがとうございます」


彼の腕の中で、顔をあげると顔が接近してきた。目を閉じる……きっとキス……。

しかし、その瞬間にエレベーターがまた降りてきて、ドアが開いた。

そこには人がいた……。私たちは人がいるとは思わなく、抱き合ったままで飛びはねた。


「わわっ、涼太!」

「わっ! まだいたのか……こんなところでイチャイチャするなよ」


エレベーターに乗っていたのは、数分前に上がっていった副社長だ。副社長の後ろには秘書の方もいる。

急いで離れたが、副社長からの視線が痛くて、目を泳がせる。イチャイチャしていたのは事実だから、反論できない。

軽く息を吐いた征巳さんは、早々と冷静さを取り戻していた。


「ゆりか、行こうか?」

「あ、はい。行きましょう」


秘書の方がドアを開けた状態にしてくれているので、私たちは副社長の横を通り、エレベーターに乗ろうとする。

だけど、「待て」と副社長に止められた。副社長は苦笑したあと、注意する。
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