嘘恋のち真実愛
お互い質問に質問で返す。征巳さんから視線を外して、サイドテーブルにあるデジタル時計で時間を確認した。
今日も仕事だ。いつまでもここで決着のつきそうもない会話をしている時間はない。とりあえず、寝るのは夜だから今夜までに決めたらいい。
征巳さんも了承してくれる解決策を考えよう。
「征巳さん、時間に余裕がないのでこのことはまたあとで話し合いませんか?」
「ん? ああ、そうだな。まずは着替えて、下で朝ごはんを食べよう」
ケンカをしていたのではないけれど、一時休戦した私たちは身支度を整えて、ラウンジへ行く。
ラウンジへ入るとスタッフが「大江さま、おはようございます」と爽やかな笑顔で出迎えてくれた。
私は、征巳さんの斜め後ろから頭を軽く下げる。
「今日は、ふたり分でよろしく」
「かしこまりました。コーヒーと紅茶、どちらがよろしいでしょうか?」
「ゆりか、どっちがいい?」
「コーヒーでお願いします」
征巳さんはコーヒーを二つ頼んでから私の手を引く。中庭が眺められる窓際のテーブル席に座る。今の季節らしく、薔薇がきれいに咲いていた。
今日も仕事だ。いつまでもここで決着のつきそうもない会話をしている時間はない。とりあえず、寝るのは夜だから今夜までに決めたらいい。
征巳さんも了承してくれる解決策を考えよう。
「征巳さん、時間に余裕がないのでこのことはまたあとで話し合いませんか?」
「ん? ああ、そうだな。まずは着替えて、下で朝ごはんを食べよう」
ケンカをしていたのではないけれど、一時休戦した私たちは身支度を整えて、ラウンジへ行く。
ラウンジへ入るとスタッフが「大江さま、おはようございます」と爽やかな笑顔で出迎えてくれた。
私は、征巳さんの斜め後ろから頭を軽く下げる。
「今日は、ふたり分でよろしく」
「かしこまりました。コーヒーと紅茶、どちらがよろしいでしょうか?」
「ゆりか、どっちがいい?」
「コーヒーでお願いします」
征巳さんはコーヒーを二つ頼んでから私の手を引く。中庭が眺められる窓際のテーブル席に座る。今の季節らしく、薔薇がきれいに咲いていた。