凌玖先輩から逃れられない

「完璧主義だったから完璧じゃなきゃって焦ってた篠崎に“十分頑張ってるから次できたらいいですよ”って言ってくれたんだって」

「あ……」


思い出した。


確か、3年前だった気がする。

公園で落ち込んでた中学生に声をかけて、お悩み相談されたんだ。

その言葉は彼にかけたものだ。


あの時の人は先輩だったんだ……。



「あれから成績も元に戻るどころかさらに良くなって、首席合格をして生徒会長になったわけ」


首席合格って、やっぱり次元が違いすぎる。


「それで沙耶ちゃんを一目見ただけであの時の子だって気づいた篠崎が生徒会の職権乱用して名前を調べたんだよ」


その姿見せたかったなと、けらけら笑う副会長にクスッとわたしも同じものを返す。

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