凌玖先輩から逃れられない
「その後沙耶ちゃんが思った以上にモテるのを知って、沙耶ちゃんが他の男のものになんかなってほしくないって焦って告白したんだって」
思った以上にってなかなか失礼なことを言われたとか、カッコ悪い要素が見つからなかったのはわたしだけなのかとか、色々思うところもあるけど。
決めた。この後ちゃんと告白して先輩の想いに精一杯応えよう。
「教えてくれてありがとうございます」
「お安い御用だよ。おーい篠崎ー、おわったー?」
「もう少しだ」
「うん。なら、俺そろそろ帰るわ。
じゃーね、沙耶ちゃん」
「あの……っ」
感謝を伝えたくて、思わず立ち上がる。
「ありがとうございます……!楽しかったです!」
「……どういたしまして。また会おうね」
そうニコッと笑った副会長は生徒会室を後にしたのだった。