凌玖先輩から逃れられない
副会長が帰った後、先輩の机に何も飲み物が置かれてないことに気づく。
勝手に使うのは申し訳ないけど……仕事で疲れてそうだし、お茶でも差し入れしよう。
先輩の言葉は本当のようで、わたしがお茶を淹れ終えた時には仕事を片づけられていた。
「んー……」
両手で伸びをしている姿に笑みをこぼしながら、先輩のもとへ向かう。
「凌玖先輩っ!お疲れ様です!
生徒会の借りちゃいましたけど、良ければどうぞ!」
「ああ、すまない」
「っ」
紅茶を置いたわたしを見上げてきた先輩にドキッとする。
そういえば見上げられるのは初めてかもしれない……っ
慣れない角度にドキドキして、わたしは慌てて距離をとる。
こんなにもバクバク言ってるのに、告白できるのかわたし……?