凌玖先輩から逃れられない
いや、今言うんだ……!
頑張るんだ、わたし……!
「ああああ、あの、先輩っ」
「ん?」
あの時、先輩も同じ気持ちだったんだろうか。
胸の高鳴りで先輩の声が聞こえなくなりそうで。
さっきよりずっと緊張しちゃう。
「わたし、凌玖先輩のことが……」
緊張で声がうわずってしまう。
そんなわたしの様子を見て、何を言いたいのか察した先輩は微笑ましく見つめている。
「うん」
先輩は立ち上がって、わたしと向かい合わせになる。
両手を握りしめて、意を決して見上げる。
「好きです」
そう言い終えたのと同時に唇が塞がれて、抱き寄せられた。