ロストラブレター
「司、俺を待ってんの?」
不意に聞こえた静かな声に、私は振り返った。ピンと張っていた緊張の糸は、よく知る声でいとも簡単に緩んでしまった。
「あ、聞いてたの?」声の主の方へ向き直り顔を見上げる。「ごめん、ちょっと2人に用事言えなくてとっさに嘘ついちゃった…。遥に特に用事ないから帰って大丈夫だよ」
ポン、と遥の肩を軽く叩いて早く部活行きな〜と教室の出入口へそれとなく誘導する。
訝しげに片眉を上げた遥は、それ以上は何も言わずに私に促されるまま部活へと向かった。
いつもごめんね、遥…。
と心の中で手を合わせ謝罪する。
困ったときは何かと幼馴染みの遥を理由にする癖、やめなくちゃ。
遥は物静かな性格で昔から無愛想な奴と思われがちだが、根は心優しい性格なので私の無茶や我儘になにも言わず、付き合ってくれていた。(たぶん、面倒くさいだけだと思うけれど)
高校は別かと思っていたけど、まさか同じ学校で更に偶然にも同じクラスだったので、つい遥を頼ってしまう。
不意に聞こえた静かな声に、私は振り返った。ピンと張っていた緊張の糸は、よく知る声でいとも簡単に緩んでしまった。
「あ、聞いてたの?」声の主の方へ向き直り顔を見上げる。「ごめん、ちょっと2人に用事言えなくてとっさに嘘ついちゃった…。遥に特に用事ないから帰って大丈夫だよ」
ポン、と遥の肩を軽く叩いて早く部活行きな〜と教室の出入口へそれとなく誘導する。
訝しげに片眉を上げた遥は、それ以上は何も言わずに私に促されるまま部活へと向かった。
いつもごめんね、遥…。
と心の中で手を合わせ謝罪する。
困ったときは何かと幼馴染みの遥を理由にする癖、やめなくちゃ。
遥は物静かな性格で昔から無愛想な奴と思われがちだが、根は心優しい性格なので私の無茶や我儘になにも言わず、付き合ってくれていた。(たぶん、面倒くさいだけだと思うけれど)
高校は別かと思っていたけど、まさか同じ学校で更に偶然にも同じクラスだったので、つい遥を頼ってしまう。