俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

薫の様子を見ると…やはり、戸惑っている。

不信そうに、なずなをチラチラと見ている。

無理もない。

お祓いをしてくれる陰陽師が、坊さんでも巫女さんでもなく。

偉そうに喋るバリバリのギャル。

…俺も最初は戸惑ったから、その気持ちはわかるよ。



「薫、座ろう」

「あ、うん」



そんな戸惑う薫に、着席を勧める。

少なからず動揺しているのか、コートを脱ぐ動きがぎこちない。

なずなに動揺…気持ちは本当にわかる。

お嬢様の薫は、『マジパリピー!』とか言うギャルとなんて接触したことないだろうな。

そんな薫を手助けするかのように、そのコートを受け取って、椅子を引いてやる。



「あ、ありがとう…」



薫のコートをハンガーに掛ける。


(…ん?)


その時、コートの袖に何かくっついているのに気が付いた。

ゴミか?

それをつまんで指に取る。



何か…緑色の、皮?

五ミリ四方の欠片だ。

まるで果物の皮みたいなもの。

何だこれ。アボカド?



< 106 / 503 >

この作品をシェア

pagetop