俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「それで…どうだったのかしら?」



薫が敵意剥き出しの挑戦的な眼差しを、なずなに向ける。

今にも噛みつきそうな。



そんな薫を見て、今度はなずなが鼻で笑う。



「…クロ。真っ黒だ?」

「なっ…!」

「その直後、部屋でこのおペン様を引きちぎって綿をブシャー!と引っ張り出した、あんたの姿。見えたぜ?悪霊の犯行に見せ掛けようとしたんだろ?…で、突然母さんが部屋に入ってきて慌ててそのおペン隠したろ?」

「えっ!」

「で、伶士んちのパーティーに参加することは決まっていたから、そこで伶士を呼び出して、嘘の相談を持ち掛けることも、計画済み」

「………」

「…この一連の件は、狂言だ。宮内さんの。…全部、あんたの嘘だよ」



(………)




黙って話を聞いていたけど…。




狂言…何だって?



「ま、待ってくれよ。狂言って…何で?何でそんな…」



なずなと薫を交互に見て、その心結を問う。



狂言…今の話からすると。

これは、薫の嘘…?



この俺に相談した一連の出来事は。

薫の嘘で。

聞こえた物音や声、金縛り等は…薫が嘘をついたってこと…なのか?



まだ腑に落ちない。



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