俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
それ故に、頭の中がジレンマだらけで。

どうしていいか、わからなくなってる。



納得させてほしい。



「…薫、戻ろう?」



その背中に呼び掛ける。

薫は気持ち俯いていたが、その返答はない。

…だけど、薫をこのまま放っておくワケにもいかない。

だから…。



「戻って、もう一度話を聞かないか?何かが食い違ってるのかもしれない。薫も落ち着いてもう一度話して…」

「…まさか、本物を連れてくるとは思わなかった」

「…え?」



薫の返答に戸惑ってしまうと、フッと笑い声が聞こえる。



「…本当。霊能力者っているんだ…。全部インチキに近いものだと思ってた。そんなもの要は気の持ちようで、お祓いも何もかも、ただの気休めのパフォーマンスだと思ってたのに…」

「薫…?」

「偶然聞いちゃった陰口までわかっちゃうなんて、ね…」


はぁ、とため息が聞こえた。


「…あの人、陰陽師さん?の言ってたことは本当だよ。訴えてお金払えば嘘でもお祓いやってくれるんだと思ってた」

「………」

それって…。



じゃあ、薫のこの一連の件は。

本当に、嘘。

狂言だったのか…?


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