俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
何でこんなことになってるんだか。

考えたり、キスを続けるなずなを止めようとも思ったけど。



…それ以上に、頭が熱くなってのぼせてきた。



や、ヤバい。

これ以上は…!




…と、思った途端。

ゆっくりと唇が離れていった。



呼吸困難になりかけたその息は荒く。

そのまま茫然とさせられる。



何だ…何だ今の?

キス…された。



キス…されたっ?!



動揺で頭が真っ白になりかける。

その凌辱された唇を隠すように押さえて、ムキになってなずなの方へと振り向いた。



おい!何だ今のは!



と、赤面しながらも心で叫んでみたが。




「…とれた」



なずなは自分の舌を出したまま、その先をじっと見ている。

舌先には、何かゴミ?が乗っかっていた。

ゴミ?…俺の口の中に?



目を凝らして、その小さなゴミを見る。

それは、ゴワゴワとした深緑の…欠片?



(え…?)



それは…さっきの?

アボカドの皮…?



薫のコートにくっついていたヤツ?

さっき、手に取ったけど落としてしまい、行方不明になっていたものだ。



俺の口の中に?…何で?



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