俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「なんだこれ」とボソッと呟きながらも、まだなずなは顔を近付けてくる。

その距離は、ほぼゼロで。

わ…ぶ、ぶつかる!



…そして、本当にぶつかってしまう。



(わっ…)



唇と、唇が。



え…と、思う間もなく。

グッと強引に唇を押し付けられる。

しかし、唇の感触についてどうこう思う間もなく、唇の間から舌が捩じ込むように入ってきた。



(わわわっ…)



その舌は、口の中を何かを探るかのように掻き回す。

途中、舌と舌が絡み合って。

目は自然に閉じてしまって、視界が暗闇の中、その感覚のみを味わう。



(う、うっ…)



動揺のその上に、何だか…気持ち良くなってきてしまった。



ち、ちょっと。待て。待て待て。

これ、どうなっちゃってんの…?



俺となずな。

キス…してる。



少しの息継ぎの後、今度は前歯の裏を、舌の先で探るように舐めてくる。

こ、これ…ちょっと、ヤバい。



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