俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
瞳真くんが最後にウチに来たのは、俺が小六の時。

音宮のおじさん…一人で親父を訪ねてくることもあったけど。

確か…俺が中等部に進学して間もない頃が最後だったような。



二人で、うーんと考え込む。

すると、瞳真くんが『あ』と声を漏らした。



『な、何?』

『音宮のおじさん、俺達ぐらいの娘いたよな?』

『あ…』



そう言えば。



音宮のおじさんが、ウチで集まる時にたまに連れてくる…娘がいた。

しかし、本当にたまに。

小学校上がる前の話で、本当に指折り数えるぐらいしかなく、記憶の片隅に少し残っている程度。



『…よく覚えてたね』

『だって初めて見たガイジンだし』

『…ガイジンじゃない。ハーフだよ』



音宮のおじさんには奥さんがいた。

しかし、その奥さん。

なんと、フィリピン人。



おじさんの足しげく通っていた、フィリピンパブのホステスさんだった。



おじさんが30歳、奥さんは19歳の時に結婚。

授かり婚だったという。

奥さんは超がつくほどの美人。フィリピーナ。



『娘、娘。名前なんだっけ。なずなじゃなかった?』

『………』



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