俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

「そろそろいいんじゃね?…なぁ?なず!」



そう言いながら、こっちを振り向く竜堂。

何故か爽やかなのがムカつく。

なずなは「相変わらず激強だな…」と、苦笑いしていた。



「そろそろ陰陽師さんの出番だろ」

「そうだね……あっ」

「どうした。…あ、あぁっ?!」



その時。なずなは顔色を変える。

竜堂の向こうにある光景を、目にして。

竜堂も、振り返ったその向こうに顔をしかめて驚いている様子だ。



どうしたのか、気になってしまいなずなの視線を追う。

だが、辿り着いたその光景を見て、俺も驚いてしまった。



えっ?!あ、あれ…!



《あぁっ…あああぁぁぁっ!》



魔族の尋常じゃない耳障りな悲鳴を耳にして、動揺を隠さずにはいられない。

な、何で…?



悲鳴と共に魔族の大きく開いた口から次々と滝のように嘔吐されるのは。

黒い、羽根。

黒い…羽根?!



…その時、俺は。

先の一件のワンシーンが頭を過る。



以前、同じ光景を見たことがあるのだ。




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