俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「だから、遅ぇよ」
すでに、魔族の真っ正面、射程距離圏内まで走り込んできている。
魔族に次のアクションさせる間もなく、右足で地面を押して踏み込み、素早く足を切り替えて、回って振り返る。
「…『光流』!」
その右足は白い閃光を放ち、またしてもオーラを纏う。
回転の反動で、後方に突き出すように振り上がったその右足の裏は、魔族の腹ど真ん中に炸裂。
メキッと鈍い音と共に、魔族の体はくの字になって、後方へ綺麗に吹っ飛んでいた。
これは…スピニングバックキック!
魔族が飛び道具に気を取られている隙にその懐に飛び込み、大技をくらわせる。
あの輪っか攻撃は、囮…!
《あっ…うぁっ…ああぁぁ…》
腹を抱えて地に踞る魔族。
相当ダメージだったのか、呻き声をあげるばかりで、なかなか起き上がれずにいる。
今のはだいぶダメージだっただろう。
ドーン!と吹っ飛んでいたぞ?綺麗に…。