千景くんは魔法使い
ここには様々な種類のプールがあり、スライダーにさざ波。くるくると回っている流れるプールには、浮き輪を持った人たちがたくさん浮いていた。
「ねえ、花奈。洞窟行ってみようよ。中に滝あるらしいよ」
「そうなの?」
小さな子でも安全に遊べる場所も多いので、泳ぐのが得意ではない私でも楽しめるものがたくさんあった。
「やっぱりカップル多いね」
「桃ちゃんは彼氏と行かないの?」
「うちの彼氏、日焼けするの嫌なんだって。男なのに乙女か!って感じだよね」
「美意識が高くていいんじゃない?」
「美意識じゃなくて、出不精なだけだよ」
桃ちゃんとそんな話をしながら、プールサイドを歩いていると、「おーい、桃園たち!」という声がした。
視線を向けると、そこにはクラスメイトの男子がふたり。職場体験で一緒になった男の子たちだった。