闇の中の太陽
ガラガラバン!

勢いよく私の部屋の襖が開けられる

『おい、美蘭』

機嫌が悪いらしく男は中指をガリガリかいていた

『…はい、なんでしょう』

気を荒立てないように丁寧に答える

『なんでしょう、じゃねーよ!酒が切れてるじゃないか!買ってこい!』

また理不尽な要求をしてきた。
めんどくさいなーテスト近いのに

『そうは言っても、もう9時です。どこも売ってくれません』

早く終わらせたくて適当にあしらう

『うるせーな!誰に口答えしてるんだ!え
ぇ!』

私の答え方が気に入らなかったのか典型的な切れ方をしながら私を殴った

『なんか言ったらどうなんだよ!』

『……』

何か言ったら更にキレるくせに

バカなのか

『いっつもいっつも、黙りやがってよ
ぉ!』

そんなこと言えるはずもなく黙って殴られ続けていると運悪く母が帰って来た

『ただいまぁ〜ってなにしてるの!?』

『なにって躾けだよ、躾け』

『美蘭がなんかしたのぉ?』

『なんかしたもなにも、親に口答えしてき
たんだぜ!』

『えぇ〜!ちょっと美蘭!リュー君にはち
ゃんとした受け答えしなさいってじゃな
い!それで前にもその前にもずーっと怒られてきたでしょ!ちょっとは学習しなさい
よ!』
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